高校生から通っている美容師さんがついにその美容室を辞めて別のお店に勤め始めたので、新しいお店に伺った。
20年近く前から通っているので、つまりこの20年間のお互いの変化をしている。適度な距離感の男性で、多分40代後半か50代だと思うんだけど、正確な年齢は知らない。
もともとは表参道やいろんなところにある、いわゆるカリスマ美容師の時代に店舗拡大した美容室で勤め上げ、創設者のカリスマ美容師の次の地位まで勤め上げていた。
伺っていろんなことを話す。
お洋服の話になる。そのお兄さんは、私が着ていくと「ねぇそれドリスじゃない」と言ってくれたりして、その辺のテンションが合うので、とても話が早くて楽だ。
突然私着ているプリーズプリーズの洋服を見て「ねえそれ今流行ってるよね」と声をかけられた。そんなアラフィフの男性にすらプリーツプリーズが流行ってる事は広がっているのか、もちろん美容師さんだから一般人男性よりも格段に詳しいのは当然だけど、もうそんなにかと思った。
新しく移動した街は広尾なので、昔から住んでいる人たちでよく着てらっしゃる人が多いのかも。
話の流れで「体重が増えたから、以前の服はほとんどもう全部売っちゃったんですよね」と私がこぼすと「全部??ドリスとかも??」と聞かれる。「なんか10年後位でも絶対素敵だろうなってものは残ってるんですけど、デザインが若かったり短かったりタイトなものはもう本当に全部売っちゃっいました」と言うと、あらあらという顔をする。
続けて私が「だからもうこういうプリーズプリーズとかイッセイミヤケに総入れ替えしちゃったんですよ。もうこれだけで100着ぐらいあると思う」と言うとびっくりした顔をする。私も自分の勢いにびっくりしている。
もう私の体に入らない服を見ると悲しくなる。
ひとつひとつ思い出があるから、それらに拒絶された気持ちにもなる。拒絶しているのは私の体の方が先なんだけど、洋服にも拒絶替えされているような気持ちになる。わがままなんだけど、そういうもんである。
古着は本当に捨てづらい。ブランド物であればまだブランドフル着店に買取に出して値段がついて次の人に手渡しできる気持ちで次の人に渡っていくと言う。次の人にわたってまたこの服が誰かに来てもらえるのだからと前向きな気持ちで外に出せるが、ヴィンテージショップで買ったものはそうはいかない。私の古着の中で値段が付きそうなものと言えば、アライアとガンネサックスくらいで、あとはデザインが美しいだけのヴィンテージである。寂しい。




