威嚇

文章を書く練習

金曜日18時

 

ひさびさに電車に乗った。行きの電車の床と壁は木目のような茶色、帰りはローズブラウンのテラゾーだった。地下鉄の壁や床は白くない方が目に優しくていい。東京の電車は白すぎる。病院のようだから。本当の病院はあんまり白くないがイメージの話。帰宅ラッシュの時間帯で、人が多く降りる駅からまた多く乗り込んだ波の中に乗った。席が空いてるなーと思い近付いてみたが、かなり体の大きな男性がその横に座っておりほぼ1.5人分の幅をとっていた。子供しか座れないスペースになってしまっていた。私は小柄なわけではないので座るのを諦めて、なかなか混んでいるラッシュ時の空席の前に立つ変な人になった。隙間の向こう側に座っている普通体型の男の人がスペースを開けるように座り直してくれたが何も変わらない。大きな男性の指はむちむち白くて真っ黒な毛が指の屋根を横断して茅葺き屋根みたいになっていた。毛だと思うと多いが、屋根だとするとスカスカだな雨漏り酷そう何も守れんなどと思った。私の他にも何人かが席が空いてると見て近付いてきたが、その男性を見て「アア」と表情を変えて同じように立ち尽くした。金曜日の夕方のラッシュ時、空席の周りにサークルができた。かなり大きい男性はずっと電車に乗るたびにこの感覚を味わってるのかと思うと可哀想な気もする。マイムマイムの真ん中。彼だって座りたいだろうから仕方ない。憎むべきは彼ではなく電車だ。電車が小さいのが悪い。個人を憎まずにシステムを憎め。以前、男女問わずの平均値を取って座席の大きさを決めたと聞いたことがあるが決めたやつはアホだ。どう考えても大きい方に合わせるべきだ。男性の平均値ではなく最頻値、または上位3割の平均くらいにすべきだ。この数字はなんとなくニュアンスで決めています。それとも容積に対して最大限に人間を詰めて運賃を稼ぎたいのか。営利組織だもんね、そりゃそうか。ここで人間を球とします。