威嚇

文章を書く練習

10月に増やしたものとまなざしという便利な言葉①赤いポロシャツ

 

ラコステの赤ポロシャツ長袖 〜チェーンネックレスとパールを添えて〜

 

仕事と土日の境界線がはっきりとしていたために、また私の職種がかなり固いスーツの仕事なので気持ちの切り替えをアッパーにおこなっていた。

 

ゴリゴリのスーツと全く人格の異なった派手でテンションの高い私服、アイコニックな服、セレクトショップの店員さんが見れば一目で何処のブランドのいつのシーズンだかわかるような服ばかりを選んでいた。

新型コロナウィルス感染症拡大に伴い一旦フルのテレワーク生活となったためかなりカジュアルな服を好むようになった。ヒールも低くなった。

 

子供の頃に着ていたような着慣れたベーシック服や、亡くなった祖母のクラシックな服にジャラジャラとアクセサリーをつけるのが今のつらいことばかりの気持ちに馴染む。

スラックスと襟シャツ、分厚いコットンのフーディーは身体のノイズが少なくて、タスクフォーカスを手伝ってくれる。観念として作業着に近い。

とはいえポロシャツを普通にそのまま選ぶと、まんまるい頬のもったり感と相まって今日はゴルフですか?となりかねんので長袖、ピタピタのサイズ、赤、ボタンの開きが深いもの、を選んだ。大学時代から10キロ増量しているので私が着れば大体のものはピタピタになる。古着で1500円ほどで購入した。腕まくって着る。指輪とバングルはあるだけつける。カーディガンを重ねてもいい。白と紺も欲しい。オーバーサイズでもいい。メンズがいい気がする。

 

ポロシャツはピンク色で総スパンコールのクロップドのラルフローレンのものも9月に手に入れた。母が自分で着たいくらいだわ!といたく気に入っていたので買ってもらった。

 

特に私の特徴であるが、自分の生活が荒れていて身ひとつでの価値が下がっていると感じている時であればあるほど、高い洋服を買ったり高い化粧品をもう既に持っているのに買ってしまったりする。これは手っ取り早く自分を何か良いものに仕上げようという気持ちの表れだ。買い物はそれ自体が願望の表れだから。なりたかった自分、なりたい自分を捨てることに他ならないから断捨離は心をすり減らす。

化粧が派手になればなるほど、時間がかかればかかるほど自分に自信がない証左でもある。ニュートラルの時の化粧は15分位で終わる。17歳頃の私は化粧に1時間も2時間もかかっていた。その年頃の子なんて、何もしなくても可愛いのにね。自分の顔が嫌で別の誰かになりたい化粧と、社会に対する闘争のための化粧。今はその方向ではなく、心が疲れているのでどこに行くにも赤いリップと日焼け止めを塗ればまぁいいかという気持ちになってしまっている。10秒で終わる。街中のガラスに写る自分の顔を見て、審美的には厳しいなぁと思う。こちらの方がはたから見たら健全なのかもしれないとも思う。

心がすり減っている時でも私は見た目を気にする、むしろすり減っているからこそ見た目を気にする。他人に対して私を攻撃する隙を与えたくない。付け入る隙を与えたくない。少しでも気弱で懐柔しやすい女性だと思われたくない。後をつけられたりゴミを漁られたりしたくない。他人のまなざしの中にしか私は存在しない。他人の中には頭のどこかにいる客観視の自分も含む。見られることで存在は観測されると思ってしまう。どこまでも私は人・間であって、人との関わりの中でしか自分を見出せず、なので今転勤先で1人仕事をしていると自分としか対話ができずこの軸が難しくなってしまった。私はプライドが高い。高いと思ってなかったが低い奴らが多い。

 

短いがここで終わる。休職は11月末まで延長した。