威嚇

躁の時に書いてる

everything everywhere all at once

everything everywhere all at onceを観た。

 

できれば音響のいい映画館で見てほしい〜
私はドルビーアトモスで見た!

まず第一印象は「こんな映画初めて見たわ」(絵の作り方)

 

マルチバースを用いて「こうだったかもしれない自分」たちに触れつつ、「君がこれ以上ないワーストだったからこそ逆に君がこのユニバースで闘えるんだ」っていうアルファ夫のセリフはかなり彼女を突き動かす原動力になったなぁと思う

このマルチバース形式を思い返すと、この3年間を考える

 

空気感染するウィルスのパンデミックというとてつもなく大きな流れの中で、逆説的にかなり意識的に自分で人生を選びとっている感覚がある3年間だったと思う。

ワクチンを打つのか、打たないのか、対面で仕事をするのか、しないのか、友達と会うのか、恋人だけならいいのか、外に出ることすら自粛するのか、しないのか。個人的には祖母が外出自粛のせいで認知症になってしまい、ご飯が食べられなくなり、フラジャイルになり最後にはコロナに感染して亡くなってしまったことを考えた。

その時々でベストな行動をしているつもりだったけど、後から振り返れば、外に出かけるのが大好きなで彼女の気持ちに寄り添った十分なサポートもせず「大事だから閉じ込めておけばよい」というのも違ったんだろうという結論に至ってしまう。亡くなってから1年半ずっと考えている。多分死ぬまで後悔する。

私だけじゃなくてこういう経験を持つひと、本当に今多いと思う。

そういった時代で、このようにあのとき選び取らなかった未来たちから能力だけ借りてきて、未知で無数の選択肢を操る自分の娘と対峙するーーーーっていう話を映画化する。今がベストだったと思う。

あり得た世界、選ばなかった自分、それでもだからこそやれることがある、っていうのは救いです。


春節のお祝いで赤い服がなかったのか、背中に「パンク」と書かれたニットカーディガンを羽織ってるのがジョイちゃんを抱きしめるときにも見えててとっても良かった
「赤い服!あった!」ってパッと手に取って後ろも見ずに買っちゃったんだろうな〜ってのが伝わる。
マルチタスクに追われてる人あるある


ジョイちゃんの七変化も全部可愛い〜

どの世界線でも夫は優しく忍耐強いひとだし、お父さんは娘への過剰な期待と勝手なガッカリを持ってて、全員本質は変わらないのが見えてよかった これは絶望でも希望でもある

上映中ずっと気になってた「娘からお母さんへの名前呼び」が最後の最後で回収されて良かったーーー

ゲイと親との関係を描いた作品は父と息子だと結構思いつくものがあるけど、母と娘だと数が少ないのでその点でも素晴らしい

監督がこちらの作品を作るにあたって、当初主人公をADHDの設定にしていたことから本などを読み込んで勉強したら、これって自分じゃない…?と気付いて診断がついたエピソードがすごく好き